毎日仕事で、たまの休みも仕事疲れで家から出ることがないそんな毎日。




「物足りない」



そんな風に思ったのは、ほんの少し前。
昨日だったか、一昨日だったか、それともつい数分前。
私がどうしようもないくら落ちていた時か。

私は今、好きな人がいない。

それに気づいたのは、物足りないと思った少し後くらいかもしれない。

恋愛に男女共に興じるのは、
それ以外に楽しめるものがないからだと。
私はくだらない妄想に浸りかけた自分をいさめる。

でも、一度空いてしまった蓋は過去という芳しい香りを全て吐き出すまでは、しまってはくれない。
過去の泥沼が、今となっては綺麗な思い出。
にも、なることに笑えてくる。
決して忘れない激痛と混沌とした己の汚れも、確かに覚えているのに。

ハルさんとデートだとハシャイデいた。
ハルさんから、最近仕事が忙しくて体力的にキツイから明日はやめようというメールがきた。
愕然とした。
けれど、仕方がないと諦めたその日。
これからハルさんと食事だから、と。
ハルさんと仲のよいアルバイトの笑顔に言葉を失ったその時。
放心状態で家路について、帰った瞬間だろうか。
少し経ってからだろうか。
とにかく電話を掛けた。
誰にだろうか、きっと旦那だけれど。

私は泣いた。

とんでもなく泣いた。

電話をする30分前から泣いて、泣き終わってから電話をして、また泣いたのか。
電話をする前から泣いていただろうか。
電話をしてから泣いただろうか。

とにかく泣いた。

自分でビックリするくらいに。

どこか自分のことを第三者のように眺めている私が、

「本当に好きだったんだ。」と何度も呟いた。





行けなかったことも、もちろん悲しかった。
けれど、理由が理由なだけに仕方がないと思った。

私が泣いた理由は。

断れるような、自分とハルさんの間柄の薄さ。

そんな存在なんだという自分を認識してしまった悲しさ。

私は彼女の特別にはなれないんだと…。

思った。





好きだったんだ。

本当に。
















end